日本犬に共通する特徴
日本犬や日本原産の犬は、古くから日本で暮らし、日本人と共に過ごしてきた犬種です。そのため“日本犬ならでは”の特徴を持っていますよ~。
日本犬の飼い方やしつけを知るためにも、まずは共通する特徴を見てみましょう。もちろん犬種によって差はありますが、日本犬ならではの特徴は次の通りです。
- 四季のある国で育ったため、日本の暑さ寒さに強い。
- 狩猟犬として活躍した犬が多く、筋肉質で丈夫。
- 飼い主には忠実だが、他人に対しては警戒心を抱く。
四季に対応できる日本犬は“日本で育てやすい”犬。体も丈夫で元気、育て甲斐がありますよ!
しかも日本犬には、愛情を注げばこたえてくれる律義さがあります。他人に対して警戒心を持つ面があるので、しつけが重要になるというわけです。
なお、「日本犬って?どんな犬がいるの?」という点については、別記事で詳しく説明しています。
「まずは日本犬の種類を知りたい!」という方は、先に「日本犬11種類!代表的な6犬種と日本原産5種を紹介」を読んでくださいね!
日本犬の飼い方
日本犬の飼い方について、「飼育環境」「散歩」の2つの観点で見てみましょう。
日本犬の飼い方(1)飼育環境
日本犬は、基本的には日本の気候に適しています。
トイプードルやチワワなどの洋犬ほど、暑さ寒さ対策に気を配る必要はありません。
大型犬の秋田犬をはじめとした例外を除けば、“日本犬は、初心者でも飼いやすい犬”と言えるのです!
実際に、ひと昔前の光景を思い出してみてください。
日本犬というと、玄関前や庭の犬小屋に入っていませんでしたか?
そうなんです!現在では室内飼いも増えていますが、日本犬は「外で飼う」というスタイルが一般的でした!
ただし気候の変化が激しい地域では、気温差に対応できないこともあります。くれぐれも注意してあげてくださいね。
その他、例外として覚えておきたい犬種を紹介します。
1)北国育ちの日本犬
北国育ちの先祖をもつ日本犬は暑さが苦手です。たとえば、北海道犬は代表例です。
北海道犬は厚い毛に覆われているため、凍えるような厳しい寒さは耐えられます。でも蒸し暑くなると、その毛が逆効果に!
極度に暑い環境だと、熱がこもりすぎて熱中症になったり、皮膚が蒸れて皮膚トラブルを起こしたり……。
同じく北国出身の秋田犬も“寒さには強いけれど、暑さには弱い”犬種です。
暑さをしのげる飼育環境を整えてあげてくださいね。
(関連)北海道犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
(関連)秋田犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
2)日本原産の小型犬
日本原産の小型犬の中には、室内向きの犬もいます。
たとえば、古くから“お座敷犬”として、将軍や大名などからも可愛がられてきた「狆」(ちん)は、室内向きの犬です
純白でフワフワの毛が美しい「日本スピッツ」や、特に戦前“抱き犬”として神戸や横浜で一大ブームを巻き起こした「日本テリア」も、暑さが苦手です。
狆や日本スピッツ、日本テリアを飼うなら、室内で飼えるかどうか、環境を整えてから迎えていれてあげましょう。
(参考)日本スピッツの飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
(参考)日本テリアの飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
日本犬の飼い方(2)散歩
日本犬には、狩猟犬を先祖にもつ犬種がたくさんあります。つまり日本犬は「しっかり体を動かすことが大好き!」なのです。
家庭犬になった今も、骨格や筋肉、運動が好きだという気質は引き継がれています。毎日時間を作って、散歩に連れて行ってあげましょう。
中でも、特に運動が好きな犬種を紹介します。
1)秋田犬やアメリカンアキタ
大型犬の秋田犬や、秋田犬をルーツに持つアメリカンアキタは、体がとても丈夫です。
1日2回、それぞれ約1時間の散歩を目安にしましょう。
(関連)秋田犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
(関連)アメリカンアキタの飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
2)四国犬
四国犬の先祖は、四国の山岳地帯で狩猟犬として活躍していました。筋肉質で運動能力が高く、持久力にも長けています。
毎日2回、できれば1時間ずつを目安に、しっかり運動の時間を作ってあげてくださいね。
(参考)四国犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
https://dog-japan.net/shikoku-kaikata/
3)甲斐犬
甲斐の国・山梨県原産の日本犬である甲斐犬も、狩猟犬として活躍してきた犬種です。脚力が強く、岩場や山道もすいすい登りますよ~。
脚が丈夫な甲斐犬は、普段の散歩コースに山道を取り入れてあげるといいでしょう。
急な斜面を登るのはお手の物ですから、甲斐犬を飼うなら、2m以上のフェンスを用意することをおすすめします。
(参考)甲斐犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
日本犬のしつけ
日本犬のしつけに際して意識したいのが、次の2つの性格です。
- 主人に対して忠実
- 他人に対して警戒心を持つ
日本犬をしつけるには、この2点を十分に理解してあげましょう。
違う言い方をすれば、この2点を頭に入れておけば、きっと日本犬のしつけはうまくいくはずですよ!
(1)主人に対して忠実
日本犬は、飼い主に対して従順な犬種です。信頼する主人に対しては、一生忠義を尽くします。
ただし信頼関係を築くには、適切なしつけが重要です。リーダーであることが伝わるよう、常に毅然とした態度でふるまってください。
もちろん、ただ単に“きつく接する”ということではありません。根底に愛情をもつことが大切ですよ~!
(2)他人に対して警戒心を持つ
日本犬は、飼い主に対して忠誠心を持つ一方で、他人や他の動物には警戒心を持つ傾向があります。要は、番犬向きの性格なんですね!
ただし、警戒心も度を越えると問題に……。たとえば無駄吠えをしたり、ときには噛みつきなどのトラブルを引き起こしたりすることもあります。
大事な愛犬を“問題犬”にしないためにも、日本犬のしつけでは「社会性」もポイントです。しっかりと社会性を身につけさせてあげてくださいね。
日本犬のしつけにおいては、幼犬の頃から、家族以外の人や犬などの動物と触れ合う機会を作ることも大切です。
ただし中には、攻撃的な本能が残っている犬種も存在します。そういった犬種の場合は、過剰な接触は避けてくださいね。
たとえば秋田犬や紀州犬、土佐闘犬などは、自治体によっては「特定危険犬種」に指定されています。その場合「檻の中で飼う」などの条件がある場合もあります。
秋田犬や紀州犬、土佐闘犬を飼うなら、事前に自治体のルールを確認しておきましょう。飼い方についても前もって理解してあげてくださいね。
(関連)秋田犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
(関連)紀州犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
(関連)土佐闘犬の飼い方としつけ!散歩やトイレトレーニングは?
まとめ
日本犬は四季のある日本の気候によく合い、飼い主にも忠実な犬です。
多くの場合、番犬としても活躍してくれる頼もしい存在です。
日本犬は、運動好きな犬種も多くいます。
運動不足でストレスを溜め込まないよう、散歩の時間を確保してあげてくださいね。