“抱き犬”として可愛がられてきた日本テリアは、おっとりした性格の小型犬で、マンションでも飼いやすい日本犬です。手入れや散歩が比較的楽なのも、女性の一人暮らしにはうれしいポイントです。
ただし希少犬種で手に入りにくく、一人暮らしだと満たしておくべき条件もいろいろあります。この記事では、「20代マンション一人暮らしのOL」が日本テリアを飼うなら知っておきたい情報を紹介します。
目次
日本テリアは、比較的“飼いやすい犬”です
日本テリアは、日本犬の中では飼いやすい部類に入ります。
というのも“抱き犬”として改良されてきた日本テリアは、性格が穏やかで小型、しかも手入れも楽だから。柴犬をはじめとした他の日本犬と比べると、マンション一人暮らしの女性が飼うには、うれしい条件がたくさん揃っているんです。
では、どんな点が飼いやすいのでしょうか?具体的なポイントを見てみましょう。
日本テリアの性格について詳しくは、「日本テリアの性格」をご確認ください。
(1)体重4~5kgの小型犬
日本テリアは、飼いやすいサイズの小型犬です。体高は30cmほど、体重も約5kg。コンパクトなサイズなので、さほど広い場所がいりません。マンション暮らしのOLにはうれしいですよね!
多くのマンションでは、飼ってもよいとされるのは、体重10kg以下の犬のみ。日本テリアならまったく問題ありません。実際に飼育OKの犬種として「日本テリア」を挙げているマンションも多いんですよ~。
(2)穏やかでおっとりした性格
日本テリアは一般的に、穏やかでおっとりした性格の犬だと言われています。初心者でも飼いやすい犬なんです。
基本的に物静かなので、「仕事中にずっと吠えていたらどうしよう……」という心配も、あまりありません。ただし警戒心はあるので、番犬としての役目は果たしてくれます。本当に可愛い存在です!
(3)手入れが楽!
日本テリアは、短毛なのでお手入れが楽だというのも、何かと忙しいOLさんにはうれしいポイントです!
仕事をしていると、平日自宅にいられるのはわずかな時間だけ。毎日長い毛をブラッシングするのって、思いのほか大変ですよね。しかも毛が長いと、掃除も大変。抜け毛の掃除で、毎日クタクタになってしまうかもしれません。
その点、日本テリアなら安心!毛の長さはわずか2㎜ほど。こまめなブラッシングは必要ありません。
散歩に連れて行くと、「この犬、毛が生えないんですか!?」「裸みたい!」と驚かれることも多いのだとか。どれほど超短毛かが分かりますね。それだけブラッシングも楽なんです。
むしろ、頻繁にブラッシングをすると皮膚を傷めてしまいます。汚れが気になったら固く絞ったタオルでふき、軽くブラッシングしてあげれば大丈夫です。
散歩の後も、足裏を洗ってあげるだけでOK。毛が短いので、すぐに乾きますよ~。
(4)さほど長時間の散歩は不要!
日本テリアは身体を動かすことは大好きですが、さほど長い時間の散歩は必要ありません。散歩の時間が短くてすむのも、OLさんにとってはありがたいことですよね。
しかも寒さが苦手なので、あまりに寒い日は、無理にいつも通りの散歩をする必要はありません。特に北国暮らしだと「冬の散歩は、寒さで歩かないので全くしません」という飼い主もいるほどです。
雨が続いて冷え込むときや、ブルブル震えるような真冬は、散歩の時間を短めにするか、ボール遊びなどの室内遊びを増やしてあげましょう。
(※日本テリアの散歩については:日本テリアの散歩にて)
▼便利グッズ:犬用自動ボールシューター
犬用自動ボールシューターは、犬がボールを中に戻すと、自動的にボールが飛び出すアイテムです。
愛犬が喜ぶボール遊びですが「もっともっと!」にずっと付き合っていると、自分の用事が進まないこともあります。こうした便利グッズもうまく使いましょう。
日本テリアは小型犬なので、ボールが大きすぎると、うまくくわえることができません。小型犬用のものを選ぶようにしてくださいね!
↓イメージ
https://item.rakuten.co.jp/thanko/000000003259/
(5)一緒のおでかけもお手軽
小型犬の日本テリアは、一緒にお出かけするのもとっても楽ですよ~。
一般的なマンションだと、廊下やエレベーターなどの共用部分では、犬を歩かせることはできません。大きめの犬だと抱き上げての移動も大変ですが、日本テリアならとても楽。成犬になっても5kgほどなので、女性でも軽々と抱き上げることができます。
しかも日本テリアのサイズだと、電車も一緒に乗れるんです!たとえばJRのルールでは、乗車可能なペットの大きさは「容器を含めて10kg」まで。日本テリアなら問題なく乗れますね!
平日離れて過ごす分、一緒にお出かけしたいもの。詳しいルールはホームページで確認してください。
(参考)JRおでかけネット「ペットと一緒に列車に乗るには、どのようにすればよいですか。」
ただし!ネックになるのが“数の少なさ”
日本テリアって「マンションで飼いやすそう」「女性の一人暮らしでも飼えそう!」と思える要素がたくさんありますよね。
ただし、実はとても高いハードルがあります。それは、日本テリアは希少な犬種だということ。とにかく手に入りにくい犬種なんです。
別記事「日本テリアの価格は?飼う前に知っておきたい値段の目安」で紹介した通り、一年間に生まれる子犬の数は50頭ほど。基本的にペットショップで見かけることはありません。
日本テリアを飼いたいと思ったら、専門ブリーダーと連絡をとりましょう。運が良ければ出会えるかも……というほど、日本テリアはとにかく入手困難な犬です。
しかも、日本テリアは購入価格もやや高めです。
実際の販売価格は、25万円前後が大半ですが、30万円を超えることも珍しくありません。ときには60万円に及ぶこともあります。
十分な貯金があるでしょうか?もしくは安定した給料があるでしょうか?日本テリアを購入するなら、その後のことも含めてお金のことをきちんと考えておきましょう。
他にも、こんな条件がクリアできるか確認を!
日本テリアを迎え入れるには、他にも用意しておくべきことがあります。ちゃんとクリアできるのか、事前に確認しておきましょう。
(1)「ペット可」物件は大前提
当然ながら、“ペット飼育OKのマンション”に住んでいることが大前提です。ペット可の物件であるかどうかを事前に確かめましょう。
入居時に受け取った管理規約や賃貸契約書をチェックしてみてください。ペットを飼っていいのか、もしくはダメなのか、記載があるはずです。
たとえ小さくおとなしい日本テリアといえど、ペット不可の物件でこっそり飼うのはご法度です。見つかった場合は、強制退去を命じられることもあります。どうしても飼いたいなら引っ越しが必要です。
賃貸物件の検索サイトでは、絞り込み条件の中に「ペット可」「ペット相談可」などの項目があることがほとんどです。住みたいエリアや間取りを選んだ上で、チェックを入れて物件を探しましょう。
近年ではペット可の物件が増えていることから「ペット相談可物件特集」をくんでいるサイトもよく見かけますよ~。
物件選びをするなら知っておきたいポイントを3つ紹介します。
ポイント(1)事前に細かい内容まで確認を!
たとえペット可でも、犬種によっては断られることもあります。念のため、日本テリアは飼っていいのか、確認しておくと安心です。
また、事前に申請手続きが必要だったり、その他の細かいルールが定められたりしていることも多々あります。後々のトラブルを防ぐためにも、細かい内容まで確認しておきましょう。
ポイント(2)近所の環境もチェックを!
マンションだけではなく、犬と暮らしやすい環境かどうかもあわせてチェックしておきましょう。
マンションの近所には、犬と一緒に行きやすい公園はあるでしょうか?散歩コースがあるでしょうか?
仕事から帰って夜道を散歩することになるので、街灯が多ければ夜暗くても安心です。散歩コースの途中に、24時間営業のコンビニエンスストアや交番などがあれば、なおさら安心ですね。
予防接種に行ったり、突然の病気で通院したりといった可能性を考えて、動物病院が近くにあると便利ですよ~。
ポイント(3)家賃が割高なことを覚悟しましょう!
ペット可の物件は、基本的にやや割高です。たとえば「家賃は2割増、敷金はプラス1か月」といったように、相場より高めの価格設定だということを頭に入れておきましょう。
これまでと同等レベルのマンションに住んだとしても、月々の家賃は高くなるということです。毎月の給料からちゃんと払えるのか、払い続けることができるのか、よく考えてくださいね。
(2)留守番できる環境を整えておく
日本テリアは穏やかな気質なので、留守番は比較的おとなしくできます。慣れてくると「帰宅して部屋に入っても気づかないぐらい、ぐっすり眠っている」という日本テリアもいるほどです。
とはいえ、退屈しないように好きなおもちゃを用意しておくなど、快適に留守番できる環境を整えておくことは欠かせません。知っておきたいポイントを紹介します。
ポイント(1)きちんとしつけを行う
上手に留守番するには、しつけができていることが前提です。
しつけが不十分な場合、昼間ずっと部屋で泣き続けたり、仕事から帰ったら部屋中の物をかみちぎってボロボロにしていたり……そんな可能性もゼロではありません。
しつけ教室もうまく活用して、しつけすると安心ですね!
近年では、日中犬を預かってしつけしてくれる「犬の保育園・幼稚園」が増えています。しつけ教室を開催する動物病院やペットショップも多いので、参加しやすいクラスがないかチェックしてみましょう。
ポイント(2)急な残業への備えも万全に!
仕事をしていれば、急な残業で遅くなる日もあります。飲み会の予定が突然入ることもあるでしょう。帰宅が遅くなったときのための備えも万全にしておきましょう。
特に大切なのが、水。常に新鮮な水が飲めるように、たっぷり用意してくださいね。
エサは基本的に遅くなっても問題ありませんが、愛犬のことが気になれば仕事にも集中できません。実際に、「犬を飼い始めてから残業できなくなった」「仕事の飲み会を断ってばかりで、さすがに心苦しい」といった声もちらほら見かけます。
愛犬も大事ですが、人付き合いも大事です。断ってばかりでは誘ってもらえなくなり、仕事がしづらくなるかもしれません。必要に応じて、犬用自動給餌器も使いましょう!
▼便利グッズ:犬用自動給餌器
犬用自動給餌器は、仕事や用事で外出しているときでも、ペットに餌をあげられる便利なアイテムです。
外出先からスマホで操作できるタイプなら、急な残業で帰宅時間が遅くなっても安心!録音機能付きなら、飼い主の声を流すことができますよ~。
ポイント(3)ケガ対策も万全に!
日本テリアは小型犬のため、手足の骨折や脱臼といった関節トラブルを起こしやすい犬種です。留守中にケガをしないよう、きちんと対策しておきましょう。
たとえば、飛び降りる危険のある高いソファや椅子を置かない、滑りやすいフローリングにはマットを敷いておくなど、関節に負担がかからないようにしてくださいね。
さらに、愛犬の様子をこまめに確認できるよう、カメラを備えておくと便利ですね。
▼便利グッズ:犬用カメラ
犬用カメラは、部屋の好きなところにセットしておくことで、スマホやタブレットを通じて留守番の様子を見ることのできるアイテムです。
いま何をしているのか、吠えていないか、いたずらをしていないかなど、一目で分かります。もしも無駄吠えや問題行動を起こしていた場合は、正しい対処やしつけを行うことができますね!
▼便利グッズ:洗えるタイプのタイルカーペット
フローリングなどの滑りやすい床には、置くだけでピタッと吸着するタイプのタイルカーペットを敷いておくと安心です。
しかも洗えるタイプなら、トイレの失敗や吐き戻しなどで汚してもお手軽!汚れた部分だけはずして洗うことができます。日本テリアはとてもきれい好きなので、掃除しやすいのは便利ですよね。
(3)寒がりなので、冬は万全な防寒対策を!
超短毛の日本テリアは、寒さが大の苦手です。留守中も室内で快適に過ごせるよう、環境を整えることが欠かせません。
実際に飼っている人の体験談を見ていると「散歩に行きたがるのに、冬は外に出るとすぐにバッグに入ってくる」「冬はストーブ前が指定席」といった声も。本当に寒さが苦手なんですね~。
日中の留守番は、ヒーターなどで防寒対策を行いましょう。サークルの中で過ごすなら、毛布も入れておいてあげるといいですね。防寒対策として、「洋服を着せる」という手段もありますよ~。
▼便利グッズ:ペットヒーター
ペットヒーターとはその名の通り、ペット用の暖房器具です。さまざまなタイプが売られていますが、マンション一人暮らしならおすすめはホットカーペットタイプ。春を迎えて使わなくなったら、折りたたんで収納しておくことができます。
ホットカーペットタイプはさらに、電気を使うものと使わないものに分けられます。使いやすいものを選んで、用意してあげるといいですね。
<電気を使うホットカーペット>
電気を使ったホットカーペットなら、長時間ぽかぽか。細かく温度調節できる製品が多いので、快適な温度に設定してあげられます。残業で遅くなって夜冷え込んでも、心配しなくていいですね!
<電気を使わないホットカーペット>
「いたずらでコードを噛み切って、火事になったらどうしよう」と気になるなら、電気を使わないエコタイプがおすすめです。電気を使うタイプと比べると、持続性はやや劣ります。ただし床から伝わる冷気を防ぐことはできます。なるべく保温層の熱いものを選ぶことがポイントですよ~。
一緒に暮らすことで得られる楽しみは?
一人暮らしで可愛い家族が増えれば、心安らぐ存在となることでしょう。
一人暮らしは自分のペースで生活できるので、ある意味ではとても楽。でも仕事から帰ってきて一人だと、さみしさを感じることも……。愛犬が帰りを待っていてくれたら、帰宅することが楽しみになります。
しかも日本テリアはおとなしく、飼い主の機嫌や雰囲気を察することができます。「忙しそうだな」「疲れているのかな」と思えば距離を置き、ゆっくりしているのを見計らって、甘えてくる賢さがありますよ~。
「いま甘えていい!」と思ったら、とことん甘えてきます。のんびり本を読んでいたら横にちょこんと座ったり、横になったら隣に着てゴロンと寝そべってスヤスヤ一緒に寝たり。
そんな日本テリアがいれば、仕事で疲れていても吹き飛びます。「一人でのんびりしているときでも、思わず一緒に遊んでしまう」という言葉もうなずけますよね!
「ペットを飼うと結婚しにくくなる」って本当?
ちなみに「ペットを飼うと結婚できなくなる」という話、よく見聞きしますよね。日本テリアを飼いたいと思いながらも、ふと気になる女性も多いのでは?
当然ながら、犬を飼っているからといって結婚できなくなるわけではありません。ただし、“結婚しにくくなる要素”があるのも事実です。
なぜなら犬を飼い始めると、思っている以上に“犬中心の生活”になるからです。
様子が気になって終業後すぐに帰宅したり、普段一緒にいられない分、休日は自宅で愛犬と過ごしたり……。そう、男性との出会いの機会が減ってしまうのですね。
ただその一方で、犬を飼っているということで、犬好きの男性と仲良くなりやすいという側面もあります。お互いに犬が好きなら意気投合しやすいですよね!
犬を飼っているからといって、結婚できないと決まったわけではありません。でも、たしかにそんな側面もある、でも出会いもあるかもしれない……ぐらいに思っておくといいですね。
20代一人暮らし、日本テリアを飼うのはオススメできる?できない?
20代一人暮らしで日本テリアを飼うことは、おすすめできるのか?それともできないのか?
マンション一人暮らしの女性が犬を飼うなら、日本テリアはおすすめできる犬種です。ただし入手しにくかったり購入費用も高かったりと、何かとお金がかかります。
犬を飼うために引っ越しが必要になるなら、なおさらお金が必要です。金銭面での不安があるなら、飼うのは経済状況が安定してからのほうが良いでしょう。
また、いくら留守番ができるとはいえ、日本テリアは基本的に甘えたい犬です。
平日は仕事でずっといない、休日もずっと出かけてしまう……そういう生活スタイルだと、日本テリアはストレスを溜め込みます。「飼わない」という選択肢をおすすめします。
また、タバコを吸う方は、吸い殻の誤飲や副流煙の問題があるので、そもそも飼うのはNGです。
もしも、ペットと暮らすための環境を整えることができ、犬中心に生活をする覚悟があるなら、日本テリアとの生活がたくさんの幸せを運んでくれることでしょう。
愛犬は家族です。必要なお金をちゃんとかけて、たっぷりの愛情を注いで、大事に飼ってくださいね!
まとめ
日本犬の中では、日本テリアは20代マンション一人暮らしの女性でも比較的飼いやすい犬種です。ただし入手困難で費用も高額なので、高いハードルをクリアする必要があります。その他、暮らしやすい条件を整えておくことも欠かせません。
もしすべての条件を揃うなら、ぜひ憧れの“日本テリアとの生活”を叶えてください。日本テリアは絶滅の可能性も指摘されるほど、希少な犬種です。大事に飼うことが、明るい未来への一歩になるかもしれません。
価格の相場や人気の日本テリアなど、飼う前に知っておきたい情報を別記事で紹介しています。ぜひあわせてご覧くださいね!