紀州犬には“気性が荒い”というイメージもありますが、本来は穏やかで賢い犬です。狩猟犬としての性格が裏目に出ないよう、しつけてあげましょう。触れ合いや運動量の確保も大切です。紀州犬の飼い方やしつけ、さらには散歩やトイレトレーニングなど、飼うなら知っておきたい紀州犬の情報をまとめました!
目次
紀州犬の飼い方
紀州犬は物覚えが良く、無駄吠えも少ない犬です。ただし狩猟犬としての闘争本能は残っており、初心者向きとは言えません。
紀州犬の飼い方を正しく理解してから、迎え入れてあげてくださいね。
紀州犬の飼い方(1)外飼い&室内飼い、どちらもOK!
古くから日本で暮らしてきた紀州犬は、日本の暑さや寒さには慣れっこ。
紀州犬の飼い方は、室内はもちろん、外飼いも可能です。
暑さに慣れているとは言っても、近年は驚くほどの猛暑続き。
外で飼う場合、熱中症にかからないように対策してあげてくださいね。
紀州犬の飼い方(2)頑丈&背の高いサークルで脱走防止!
勇敢な紀州犬は、現役の狩猟犬として活躍しています。紀州犬の故郷である三重県には、“獣害対策犬”の訓練を受けた紀州犬がいるゴルフ場も!
芝生を掘り起こすイノシシや、花壇や森を荒らすシカを追い払って、ゴルフ場を守っているのだとか。その任務のカッコよさと、見た目の可愛さ。そのギャップがたまらないですよね!
(参考)東建多度カントリークラブ・名古屋「獣害対策犬/天然記念物 チャッピィーとピコのご紹介」
それほどの運動能力をもつ紀州犬ですから、脚が強くジャンプ力もあります。万が一の脱走を防ぐために、頑丈で背の高いサークルや屋根付きのハウスを用意すると安心ですよ~。
紀州犬の飼い方(3)特定危険犬種の場合も!
自治体によっては、紀州犬を“特定危険犬種”に指定している場合があります。
その場合、「オリの中で飼う」「特定犬の飼育が分かるシールを貼る」といった条件付きで飼育が許されます。紀州犬を飼うなら、お住まいの自治体の条例を事前に確かめておいてくださいね。
紀州犬のしつけ
紀州犬は賢い犬種です。きちんとしつけを行い、穏やかな家庭犬にしてあげましょう。
紀州犬のしつけ(1)距離感をはかりながら、信頼関係を築く
利口で我慢強い紀州犬は、しつけやすい犬種だと言われています。
ただし紀州犬のしつけをスムーズに行うためには、信頼関係がベースになります。
警戒心が強いので、一気に距離間を縮めようとすると、吠えたり噛んだり逆効果になることも。
たとえば「一貫した態度でリーダーシップを発揮する」「健康状態を細やかに気づかってあげる」「居心地の良い環境を整えてあげる」など、日々の触れ合いの中で信頼関係を築いてくださいね。
紀州犬のしつけ(2)社会性を学ばせる
紀州犬のしつけでは、社会性を学ばせることが欠かせません。
警戒心が強い紀州犬は、知らない人に触られることをイヤがります。他の動物に対しても、攻撃的になる可能性もあります。
散歩に連れて行くたびに吠えたり、飛びかかろうとしたり……それでは散歩中ずっとヒヤヒヤしてしまいますよね。
小さい頃から、家族以外の人や犬と関わらせたり、音などの刺激に慣れさせたり、社会性を学ばせてあげてくださいね。
紀州犬のしつけ(3)呼び戻しができるようにする
紀州犬のしつけでは、呼び戻しの訓練も大切です。
狩猟犬のDNAをもつ紀州犬には、何かのにおいを嗅ぎつけると、追いかけようとする本能が働きます。散歩中に、勝手に走り出してしまったら大変ですよね。
車も走っていますし、他の通行人もいます。トラブルに巻き込まれるリスクがあるのです。走って行ったまま迷子になったら、悔やんで悔やみきれません。
でも、呼び戻しができるなら大丈夫!名前を呼んだら戻って来るように、小さいときからしつけてあげましょう。
紀州犬の散歩
体力がある紀州犬は、散歩が大好きです。飼い主として、十分な体力や時間があるのかを考えてから、迎え入れてあげてくださいね。
紀州犬の散歩(1)朝夕2回、「1日1時間」が目安!
紀州犬の散歩は、朝夕など1日2回以上、トータルで1時間ほどが目標です。
十分な散歩ができなければ、紀州犬はストレスを溜め込んでしまいます。ストレスから脱走したり、物を噛んだり……そんなトラブルを防ぐためにも、たくさん運動させてあげましょう。
暑い時期は、コンクリートやアスファルトの温度が下がってからにしてあげてくださいね。
紀州犬の散歩(2)首輪やリードは丈夫なものを!
紀州犬を散歩に連れて行くときは「首輪やリードは丈夫なものを!」が鉄則です。
紀州犬は力が強く、瞬発もある犬種です。しっかりした首輪やリードでなければ、急に走り出したときに外れたり壊れたり……というトラブルにつながりかねません。
飼い主に、いざというときに力いっぱい引ける力があるかどうかも、大切な点です。散歩を子どもには任せず、大人が連れて行くようにしましょう。
紀州犬の散歩(3)ドッグラン使用は細やかな配慮を!
紀州犬が普段の散歩だけで物足りないなら、思い切り走り回れるドッグランを使用するのも一つの手段です。
ただし、なにぶん狩猟本能が残っている紀州犬ですから、注意が必要です。他の犬とのコミュニケーションがとれるのか、呼び戻しができるのかなど、十分に様子を見てから連れて行ってくださいね。
紀州犬のトイレトレーニング
紀州犬は頭のいい犬種ですから、トイレトレーニングも比較的スムーズだと言われています。
大事なポイントは、一貫性をもってトレーニングすること。「ちゃんとトイレできたら大げさに褒める」「粗相しても怒らない」という2点を徹底してくださいね。
特に“怒らない”というのは大切です。
失敗を怒ってしまうと“トイレすること”自体を注意されたと勘違いして、隠れてトイレを済ませてしまう可能性もありますよ!
まとめ
紀州犬は、自治体によっては特定危険犬種に指定されています。
狩猟犬としての本能が備わっている点を十分に理解して、紀州犬を飼うことが必要です。
飼い主のしつけや愛情は、きっと紀州犬を利口で穏やかな家庭犬にするはず!犬を飼った経験があり、体力に自信があるのなら、正しくしつけて紀州犬との暮らしを楽しんでくださいね。
日本犬の飼い方は「初心者でも分かる!日本犬の飼い方やしつけ基礎知識まとめ」でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。