狆(ちん)は、長く美しい毛並みや愛くるしい表情が人気を集める日本原産の犬です。古くから“お座敷犬”として、将軍や大名などからも可愛がられてきました。
狆の特徴や寿命など、飼うなら知っておきたい狆の情報をまとめました!
目次
狆って、どんな犬?
まずは、狆はどんな犬なのかを紹介します。
江戸城でも飼われていた“お座敷犬”
小柄で軽く、性格の穏やかな狆は、室内向きの犬です。そのため古くから、貴族や将軍、大名など上流階級のお屋敷で“お座敷犬”として可愛がられてきました。
たとえば、「生類憐れみの令」で知られる5代将軍・徳川綱吉も、狆を大切にしていたのだとか。
なんと狆御殿を作り、狆専用の医者まで雇っていたのだそう!いかに寵愛していたのかが分かりますね~。
海を渡り、ビクトリア英国女王のもとへ!
もう一つ、狆には歴史にまつわる印象的なエピソードがあります。
時は1853年、いわゆる“黒船来航”のときのこと。日本に開国を迫ったペリー提督は、狆数頭を本国アメリカへ連れ帰ったそう。
そのうちの2匹が、愛犬家として知られたビクトリア英国女王に献上されたのだとか!将軍といい女王といい、狆は国境を越えて人の心をつかむ“愛され犬”なのですね!
名前の由来は「ちいさいいぬ」
「狆」という漢字ひと文字の名前を見ると、「狆って、中国生まれの犬なのかな?」と思う方も多いようですね。
狆はれっきとした日本原産の犬。「狆」という字は、日本で作られた“和製漢字”なんです。
元は「ちいさいいぬ」と呼ばれていた狆。そのまんまの呼び名ですね!
ただ「ちいさいいいぬ」では長いことから、「ちいさいぬ→ちいぬ→ちぬ」へ。少しずつ縮まって、「ちん」になったという説が有力なんですよ!
狆の特徴!大きさや毛色は?
狆の大きさや毛色など、特徴を見てみましょう。
狆の特徴(1)室内向きの小型犬
小型の狆は日本の長い歴史の中で、愛玩犬として愛されてきました。
- 大きさ(体高)・・・・オス25cm前後、メスはオスよりやや小さい
- 毛色・・・・・・・・・・・・・・白地に黒または赤の斑
(参考)一般社団法人 ジャパンケネルクラブ「世界の犬 : 9G 愛玩犬 : ち : 狆 – CHIN」
日本犬といえば、「大きめ」「がっしりと筋肉質」というイメージがありますよね。狆はかなり小型の犬で、全体的に丸いシルエットをしています。
狆の毛色は「白×黒」もしくは「白×赤」のどちらかです。
狆の特徴(2)シルクのような滑らかで長い毛!
一般的な日本犬の毛といえば、短毛のイメージですよね。狆の毛は長く、しかもシルクのように滑らか!いつまでも触っていたくなる繊細な感触なんです。
触り心地の良さも、愛玩犬として可愛がられてきた理由の一つですね!
狆の特徴(3)愛嬌のある“鼻ぺちゃ顔”
シルクのような優雅な毛を持つ狆ですが、顔つきはとても愛嬌があります。
耳は前に垂れて、見るからに甘えん坊。しかも、いわゆる“鼻ぺちゃ顔”。表情豊かで、見ていて飽きない可愛さがありますよ~。
狆の寿命は?
狆の平均寿命は、一般的な小型犬とほぼ同じです。
長く一緒にいられるように、健康管理にも十分気を配ってあげたいですね。
狆は“ひざの関節トラブル”が比較的多い犬です。ひざの関節がはずれやすい場合は、早めに獣医さんに診てもらいましょう。
症状が悪化しないよう、すべりやすい床にはカーペットを敷き、ひざに負担がかからないようにしてあげてくださいね。
重症化すると痛みが出たり、手術が必要になったりする場合もあります。「狆がかかりやすい病気は?」を参考に、早めの対処をおすすめします。
まとめ
狆は古くから、お座敷犬として飼われてきた犬です。だから厳しい暑さや寒さは苦手。できるだけ室内で飼ってあげましょう。
「マンションで犬を飼いたい!」という方にとっては、小型の狆はぴったりです。また甘えん坊な性格なので「いつも犬と一緒にいたい!」という方にも、狆は向いています。
ただし人懐こい分、スキンシップやコミュニケーションの時間は重要です。十分な愛情を注いで、幸せな時間を一緒に過ごしてあげてくださいね。
狆の性格について詳しくは、「狆の性格」をご覧ください。